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ウェルネス便り 免疫ってなんだろう?

「免疫」って一体なんだろう?(1)

「免疫」とは

疾病を免れると書いて「免疫」といいます。これは、単に細菌やウィルスを排除しようとする機能だけではありません。自分にとって無害か、有害かを認識することも「免疫」といいます。

自然免疫

ヒトの身体には本来、自分を守る機能が備わっています。それは、身体を包んでいる皮膚や粘膜・粘液が重要です。その次に、身体の中の血管を循環しているリンパ球が大切なのです。

免疫の識別・免疫の記憶力

身体を守るリンパ球は、自分に有害であるものの識別とその有害物のデーターを記憶して、その有害物が再度身体に入ってきた時に速やかに排除しようとする働きがあります。

消化管の免疫

日常的な食生活において、食物とともに多くの微生物が身体中に入ります。多くの微生物に対応するために消化管は特に発達した免疫機能があります。その中心的な働きをするのが抗体成分です。

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「免疫」って一体なんだろう?(2)

妊娠と免疫

胎児は、父親の遺伝子を半分持ち母体にとっては異物であるが、胎盤の働きにより、免疫細胞の調節やホルモンの調節が行われ、無事出産に至るのである。

赤ちゃんと免疫

赤ちゃんは、100日間もすれば免疫機能が備わる。それまでは、胎児の時に母親の胎盤より移行した抗体成分が働く。さらに、母乳中の抗体成分がその感染防御機能を補助する。

老化と免疫

身体が衰えても免疫機能は衰え難い。これは免疫機能の記憶が、衰え難いからである。

放射線と免疫

免疫系は、放射線に対して最も弱いと言われている。免疫細胞のDNAを傷つけてしまうからである。放射線を照射されると免疫機能と記憶は麻痺してしまう。その結果、免疫機能が低下し、感染症に罹り易くなる。

ストレスと免疫

免疫機能は、神経系に大きく関係している。ストレスは、様々な神経系に刺激を与える。その結果、免疫機能を低下させ、感染症に罹り易くなる場合がある。

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免疫機能とは?

身体を守る仕組み

外界には様々な外敵(異物)がヒトの身体への侵入を狙っています。これに対し身体の防衛システムが機能する順に3段階に別けて説明します。

  1. 異物の侵入には先ず、皮膚や汗が防衛します。汗には殺菌効果もあります。
  2. 以下に説明する単球やマクロファージなどの貧食細胞が、異物を認識し、殺菌・処理を行います。
  3. 2の対処が不十分な場合にリンパ球(T細胞やB細胞)、抗体などが外敵を速やかに処理します。

これらの機能が私達の身体を病気から守ったり病的な状態から健康な状態へと戻します。

マクロファージ

マクロファージは、自己に対する異物を認識し、マクロファージ自身に取込み、殺菌します。全身に分布し異物の侵入を阻止しています。

様々なT細胞(Tリンパ球)

骨髄や肝臓で出来る幹細胞が分化・成熟しリンパ球になります。リンパ球の中でも、胸腺で教育され免疫機能の監視役として働く細胞がT細胞です。リンパ球の70%がT細胞でその細胞のTとは、Thymus(胸腺)の頭文字のことです。

B細胞(Bリンパ球)

リンパ球が骨髄(Bone marrow)で分化したものです。抗体を産生する能力を有しています。リンパ球の20〜30%がB細胞です。

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免疫機能とは?身体を守る仕組み

抗体

抗体とは、抗原(異物)の刺激によって生体内B細胞(抗体産生細胞)が産生する抗原に特異的に反応するグロブリン蛋白質のことです。 構造の違いと作用の違いからヒトの血液中には、IgG、IgA、IgM、IgD及びIgEの5種類があります。それぞれの特徴を下記簡単に述べます。

  1. IgG
    • 循環している血液中の抗体の70〜75%を占める抗体です。
    • 通常の免疫反応で最も多く作られる抗体です。
    • 牛乳の中にも最も多く含まれている抗体です。
  2. IgA
    • 鼻水、涙、汗、消化液をはじめとする粘膜分泌液に多く含まれています。
    • 血液中抗体の約10%がIgA抗体です。
  3. IgM
    • 異物の感染初期に異物排除をする為に活躍する抗体です。
    • 血液中抗体の15〜20%がIgM抗体です。
  4. IgD
    • 血液中には微量存在しますが、機能は未だ明らかにはなっていません。
  5. IgE
    • 血液中には極微量存在し、寄生虫の除去に活躍します。
    • 一方、アレルギー症状を示す際に多く分泌される抗体です。

これらの機能が私達の身体を病気から守ったり病的な状態から健康な状態へと戻します。

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免疫機能として働く補体

免疫機能の始まり(マクロファージとT細胞の関係)

免疫機能(反応)は、まず外からの異物(抗原)を認識し識別するマクロファージがT細胞にその抗原の情報を伝えて始まります。続いて様々な免疫細胞(ヘルパーT細胞、活性化マクロファージ、B細胞、ナチュラルキラー細胞等)や生体防御因子(抗体、補体等)の的確な処置により、抗原を排除するように働きます。実に緻密な免疫細胞たちの見事な連係プレイと連鎖反応により私達の身体は守られているのです。

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)

NK細胞は、生まれながらに殺傷能力を持ったリンパ球で、特に癌細胞を異物として排除するために存在しています。NK細胞は、ストレスや加齢と共に減弱します。健康のためにはこのNK細胞の能力を高めることが大切です。

樹状細胞

樹状細胞は、骨髄で産生されるマクロファージのような抗原提示するリンパ球の1つです。この樹状細胞がリンパ球の活性化やリンパ球とリンパ球の情報伝達役を果たしています。

補体

補体はヒトの血液中に通常存在し、免疫反応が開始すると共に免疫機能を発揮する蛋白質成分です。免疫機能としては細菌を直接処理する好中球の手助けや、抗体と結合して異物の排除及び補体自身でも抗原に穴をあけて異物処理をする力があります。

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免疫のシステムとは?

サイトカイン

生体防御に欠かせない免疫機能を維持しているのは免疫担当細胞です。その免疫担当細胞は、機能の異なる免疫細胞間で様々な情報交換を行い、免疫機能を維持しています。その情報交換のための生体内成分をサイトカインといいます。様々な外敵(抗原)で免疫担当細胞は刺激を受けて様々な種類のサイトカインを合成して放出します。このサイトカイン放出は免疫担当細胞間を連鎖し、生体防御に寄与しています。サイトカインの代表的なものには、インターロイキン、TGF、TNFなどがあります。

利根川博士の発見

細菌やウィルスなど、地球上には無数の抗原が存在します。ヒトの身体は、ひとつひとつの抗原に対する抗体を作ることができ、なんと一兆種以上の抗体が産生することができると言われています。どのようにして一兆種以上もの抗体が出来るのかが長年の免疫学の謎でしたが、利根川博士がそれを発見し、1987年にノーベル賞を受賞しました。
抗体はY字型をした蛋白質で、先端部分が可変領域としてアミノ酸の配列を変えることで様々な抗原に対して結合できるようになります。3つの遺伝子グループの組み合わせにより、このアミノ酸配列が決まります。この組み合わせにより一兆種以上の抗体が産生されるのです。利根川博士はこの抗体の謎を解き、現在なお、免疫学の発展のため研究に従事されています。

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様々な疾病に対する免疫(1)〜特にアレルギー疾患について〜

アレルギー・IgE

アレルギー反応には4つの型があり、その内1つはIgE抗体によって引き起こされます。この抗体を発見したのは、日本の研究者である石坂博士夫妻です。

アレルギーの仕組み

IgE抗体によるアレルギー反応は、免疫機能が過剰に反応し起こります。

  1. 生体内に侵入してきた異物(抗原)に対してIgE抗体を産生。
  2. IgE抗体が肥満細胞と結合し、肥満細胞内から化学伝達物質を産生。
  3. 化学伝達物質が血管の拡張や透過性を亢進。
  4. 血管の変化などにより、くしゃみ、鼻水とともに異物を排除。
  5. IgE抗体が過剰に産生されると、くしゃみや鼻水だけでなく様々なアレルギー症状を示す。

なぜアレルギーになるのか?

アレルギー反応は、免疫機能が過剰に反応し起こります。免疫機能にはNK細胞や単球などによる細胞性免疫と抗体や補体などによる体液性免疫があります。これら免疫機能はヘルパーT細胞が指示しています。2つの免疫機能に対し相反するサイトカインが働き、免疫機能のバランスを保っているのです。即ち、細胞性免疫と体液性免疫のバランスを保つことがアレルギー症状の軽減に繋がると言われています。

アレルギーと心

アレルギーに関わる肥満細胞は、自律神経(ストレスやリラックス)の影響が大きく、免疫機能に影響すると言われています。従い、ストレスがかかり過ぎてもリラックスし過ぎても免疫機能を弱くして健康には良くないのです。

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様々な疾病に対する免疫(2)〜アレルギーのタイプ〜

アレルギーのタイプ

アレルギー反応は、発症まで時間が短い即時型反応(T型、U型、V型)と、発症まで時間がかかる遅延型反応(W型)の2つに大別されます。関与する細胞や物質が異なる4種類のアレルギーの型の特徴は以下の通りです。

  1. T型(アナフラキシー反応:即時型)
    • 関与:マスト(肥満)細胞、IgE、好塩基球
    • 症状:喘息、花粉症、食品アレルギー等
  2. U型(細胞融解反応:即時型)
    • 関与:IgM、IgG、補体
    • 症状:Rh不適合、自己免疫性溶血性貧血、薬剤アレルギー
  3. V型(抗原・抗体複合反応:即時型)
    • 関与:抗原・抗体複合体、補体、好中球
    • 症状:全身性エリトマトーデス、食品アレルギー等
  4. W型(細胞性免疫反応:遅延型)
    • 関与:感作リンパ球、リンホカイン
    • 症状:結核/真菌/ウィルス/その他感染症、脊髄炎、間接リウマチ等

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いろいろなアレルギー

アナフィラキシー

蜂やクラゲに刺された時に死亡者が出る場合があります。これは刺された時に、毒を注入されその時に免疫反応が過剰に作用して死に至るのです。この反応をアナフィラキシーと言います。アナフィラキシーは、ヒスタミンという血管の透過性を良くする化学伝達物質が血管に水分送り込み、血圧の低下や気管支の収縮により、心不全や窒息を起こします。

気管支喘息

日本では毎年6,000人の方が気管支喘息で死亡すると言われています。これは体内の免疫細胞が独自に免疫刺激を受けて、活性化するために起こります。時には、痰が活性化した好中球や好酸球などの免疫細胞により放出され、気管を塞ぐ場合があります。これが死を招くのです。これら全て免疫細胞の活性化に伴うバランスが悪いから起こるとも言われています。

皮膚アレルギー

皮膚アレルギーは3歳までに出ると言われています。しかし近年では、大人でも発症する場合が増えてきました。アレルギーに関わるIgEのみならずT細胞が炎症を引き起こすことが明らかになってきました。皮膚の乾燥による免疫機能の活性化に伴う反応と言われています。

食物アレルギー

食物アレルギーは様々なアレルギー反応の中でも、生命の危険を伴うものの1つです。特に乳幼児に発症し易いのですが、それは消化機能が未発達なのと、免疫機能が未発達な為に起こります。食物成分を十分に消化し、腸管内のIgAが十分機能すれば症状は起こし難くなります。

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様々な病気により異なる免疫(1)

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎は、現在、A、B、CおよびDの4タイプ(型)が見つかっています。A型やB型ウイルスはワクチンにより予防が出来ます。また、IgGを摂取する治療法も確立されています。
C型肝炎ウイルスに対するワクチンはありません。D型肝炎は、B型ウイルス感染からD型肝炎に移行すると言われていますが、日本人では稀とも言われています。一方、肝炎ウイルスは肝臓の細胞を殺したりはしません。肝細胞を破壊しているのは、感染者自身の免疫細胞なのです。肝臓の健康状態を知る指標の1つとしてGOTやGPTという酵素があります。これら酵素は肝細胞が破壊すると多量に血液中に流出します。ウイルスはこれら酵素を細胞から誘導しているのではありません。ウイルスに感染した肝細胞を免疫細胞は、非自己の細胞として認識し、破壊するのです。その結果、GOTやGPTの検査値が高くなる場合があるのです。

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様々な病気により異なる免疫(2)

インフルエンザ

インフルエンザとは流行性感冒症の一つで急性の感染症呼吸器疾患、オルソミクソウイルス科のインフルエンザウイルスによって起こる疾患を言います。吸入されたウイルスが感受性を有する人々の呼吸上皮細胞を襲い、カタル性炎を起こします。
この疾患の特徴は、突然の発病、悪寒、短期間(3日間程度)し、通常二次感染が起こるまでは乾性です。一般に流行病、ときに汎発生流行病として発生し、急速に蔓延し、かなりの人口が罹患します。死亡率は低いのですが、二次的に細菌性肺炎を合併する例で、特に高齢者や基礎疾患がある方では亡くなる場合があります。また、ウイルスの変異が頻繁ですが、ヒトの免疫機能は抗原性の異なる新株の登場に常に対応出来るように準備しています。

結核

結核症はヒト結核菌Mycobacterium tuberculosisという菌の存在により生じる特異的疾病です。感染すると結核菌は全身のほぼすべての組織や器官を侵しますが、症状は肺に症状を呈する場合が最も多い病気です。
解剖学的病巣は乾酪壊死を起こすことのある結核結節です。局所症状は患者により異なりますが、全身症状は、敗血症と同じく消耗熱、発刊、衰弱などが見られます。治療しなければ、進行性が早く死亡率が高い病気です。近年、エイズなどの免疫不全患者の日和見感染となることが分かってきました。これは、免疫機能がエイズ患者では不全な為、感染して発症しやすいのです。

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自己免疫疾患について

自己免疫反応のしくみ

免疫反応は、自己と非自己を識別する生体防御に欠くことの出来ない反応です。しかし、自分を守るはずの免疫機構が、何らかのきっかけで、自分自身の組織や細胞に刃を向ける場合があり、この反応を「自己免疫反応」といい、ひどい場合は「自己免疫疾患」と称される重篤な病気につながり、健康な方でもこのようなことは、起こりうると言われています。

自己免疫疾患(1)

自分の組織や細胞に対して免疫反応が起こった結果、発症する疾患を「自己免疫疾患」といいます。この原因ははっきりとはしていませんが、要因の一部には外的微生物や薬剤が関係していることが、わかってきました。それは生体内組織や細胞と、これら微生物や薬剤が体内の細胞組織を犯した結果できる抗体が類似していて、自己に対して誤認と異物排除や免疫学的攻撃をするのです。また、この疾患は特定の遺伝子を持った方や女性に多いとも言われることもあり、現在原因解明の為様々な研究がなされています。

自己免疫疾患(2)関節リウマチ

関節炎の痛みを訴える方々の1つに「関節リウマチ」という疾患があります。この疾患は、自分のIgG抗体に自己のIgM抗体が結合して出来るリウマチ因子という免疫複合体が出来ることにより、この免疫複合体を更に、排除しようとする細胞やIgG抗体が出来てこの反応が連鎖的に限りなく続いていき、また、この時に関節内部の滑膜細胞に炎症を起こさせることで、痛みと骨の変形を引き起こします。しかし、この自己抗体の引き金を引くものは何であるかは未だ不明です。

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